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【デザイナーが教える】チラシ・名刺デザインで失敗しないフォント選び | マティスの魅力、徹底解説

  • 執筆者の写真: イワヤジュンコ
    イワヤジュンコ
  • 3 日前
  • 読了時間: 8分

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カップルが川辺で寄り添うエモ委画像

こんにちは。集客・販促デザインの終日舎です。

普段、チラシや名刺、WEBサイトのデザインを生業にしている私は、フォント沼にどっぷりハマるデザイナーでもあります。 気に入ったフォントは、ついつい贔屓にしてしまう。どうしたらこんな美しいフォルムを考えられるんだろう、とうっとり眺めてしまう。果ては恋心すら。

というわけで、今回は、「チラシを作りたいけど、どのフォントを選べばいいかわからない」「名刺デザインで高級感を出したい」「PowerPointやCanvaでおしゃれな資料を作りたい」というあなたに向けて、終日舎が溺愛する日本語フォント「マティス」の魅力を徹底解説致します。

この記事を読めば、あなたの販促物や名刺が、ワンランク上の仕上がりになること間違いなしです。5分程度で読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次


| 1. なぜフォント選びが重要なのか

「チラシや名刺のデザインで、なんだかイマイチ垢抜けない...」 「内容は良いはずなのに、安っぽく見えてしまう...」

そんな悩み、ありませんか?


デザインの印象の70%はフォント選びで決まると言われています。どんなに良い写真や配色を使っても、フォントがちぐはぐだと台無しです。

特にチラシ・名刺・WEBサイトといった「顔」になる販促物では、フォント選びがブランドイメージを左右します。



| 2. 明朝体とゴシック体の使い分け基本

日本語フォントは大きく分けて以下のカテゴリがあります。


  • 明朝体:繊細、上品、女性的、高級感

  • ゴシック体:力強い、カジュアル、男性的、視認性高

  • 楷書体・行書体:伝統的、和風、格式高


※他にも、デザイン(装飾)系フォント、手書き調フォント、ポップ体など様々な種類がありますが、今回は割愛します。別の記事で詳しく解説しますね!

今回取り上げる「マティス」は明朝体に当てはまります。



| 3. マティスという名の魔性のフォントについて

明朝体って、なんというかこう、"ザ・卒業証書"みたいな、人生の節目を語ってくるようなイメージがあります。公的、行政、お行儀がいい、優等生、丁寧、女性的。そう、まさに、そのイメージ。

私の中では、女性性を持っているのが明朝体、男性性を持っているのがゴシック体です。

明朝の中でも印象が柔らかく、なめらかで繊細な線の細さを持っているデザインのものがいくつかあって、マティスはそのうちのひとつです。 他に似たようなフォントとしては、「はんなり明朝」「しっぽり明朝」「はれのそら明朝」などがありますが、どれも明朝のちょっと堅苦しいイメージを柔らかく、アート寄りの仕上がりです。

マティスは、そのなかでも、ちょうどいいメリハリを持つフォント

明朝という書体は、カジュアルに使えるゴシック体よりも、ちょっと襟を正して向き合わなければならない良家のお嬢様。品があるけどプライドも高い。ちょっとところどころにキツさが感じられるんですね(あくまで個人的なイメージ)。

ウェイト(太さ)を上げると一気にダサくなったりね……。

でもね、マティスは違います。彼女は、角を立てない本物の淑女。それでいて繊細過ぎず、芯の強さがあるのです。


マティスには6つの太さ(ウェイト:L/M/DB/B/EB/UB)があるのですが、太さが違うと、印象もガラリと変わります。

  • 細いウェイト(LやM):繊細で余韻のある美しさ、可憐さ

  • 太いウェイト(EBなど):雄渾で力強い、インパクトと迫力

どのウェイトにも共通しているのは「エッジの柔らかさ」。 明朝体特有の堅苦しさがなく、柔らかさの中に強さがある。この絶妙なバランスが、マティスの魅力。品があって格式を感じさせるのに、親しみやすい。「あこがれの対象なのに気取らない」って感じです。生活の横にいて、しかも、何食わぬ顔で"格"を上げてきます。


| 4. マティスって、どこの誰?実際の見え方を比較

「マティス」は、Fontworks(フォントワークス)が開発した日本語書体です。 正式名称は「FOT-マティス ProN」で、ウェイトは6つ。 では、どんな書体なのでしょうか?

マティスと小塚明朝の比較
上:マティスProN-M     下:小塚明朝 Pr6N-R









上がマティス(ProN-M)、下が小塚明朝(Pr6N-R)です。

この美しいフォルムの違い、わかりますか?

●カタカナの印象 小塚に比べてマティスは少し横につぶれているような印象です。小塚は漢字、ひらがな、カタカナがほぼ均等のサイズですが、マティスはメリハリがあります。カタカナは小塚に比べてやや小ぶり。そのため可憐でかわいらしい印象を受けます。

●「はらい」の繊細さ

「ス」に着目してみてください。

「ス」のはらいが、文字通り「スッ」と流れていく。小塚は、はらわれているけど止まっています。線も単調。「ここで終わり」が明らかに見えています。「ここ」で完結する美なんですね。


しかしマティスには余韻があります! ほら、先は細く細く優雅に、空間の中に消えていく感じがあるでしょ? その向こうに、まだ続きがあるような...空間のひだの見えないところに、その先っぽがまだ続いていくんじゃないかと……。なんて想像の余地を残すのが上手な造形!うん、多分伝わらないだろうな、って思って書いてますが、何か!


●「だ」のフォルム 小塚は「だ」のなかの「こ」の部分が、しっかり目力見せています。小塚はね……まっすぐ、ピシッと隙なく着物を着ているイメージなんですよ。

対してマティスは、見て、ゆるっと下がって崩れてる!優雅な崩れ! 浴衣を粋に着崩して、うなじを見せている感じで色っぽい!優等生なのに遊びがある!そこに人類はエロスを感じるんじゃないか!ほんと一人で興奮してすみません!

| 5.エヴァのアレもマティスだった

「第壱話 使徒、襲来」

新世紀エヴァンゲリオンのサブタイトルに使われていたのも、実はマティス-EB(Extra Bold)です。驚きですよね。

同じ「マティス」ですが、EBは極太のウェイトで、たっぷりとした筆と墨を連想させる雄渾な書風。エッジの柔らかさは健在ですが、細いマティスの繊細さとは対照的に、インパクトと迫力があります。


エヴァンゲリオンをイメージすると、あのタイトルのシーンを思い浮かべる人も少なくないと思います。いかにフォントが世界観を支えるツールになっているかいかにマティスが使徒にも耐えうる懐の深さを持ったフォントだったのか、ということが伝わってきますね。

同じマティスでも、太さによってこれほど表情が変わる。これがマティスの奥深さなのです。

| 6.私がマティスを使うシーン



私がマティスを選ぶのは、以下のようなシーンです。

✅ 「間違いなくいい感じに仕上げておきたい」とき

  • クライアントの名刺デザイン

  • 高級サロンのチラシ

  • ブライダル関連の印刷物

✅ 「嫌味のない高級感を前面に出したい」とき

  • レストランのメニュー表

  • 美容院の価格表

  • コスメブランドのLP

✅ 「格調高くブランド色を出したい」とき

  • 企業ロゴタイプ

  • 展覧会のポスター

  • 書籍の表紙デザイン

マティスは、余白と距離感の天才だと私は思っています。

近づきすぎない、でも冷たくもない。声をかければ優しくしてくれるけど、適度な緊張感もある。意外と色気もあって話も面白い。そんな二面性を持つ優等生感。この絶妙なバランスが、マティスに魅了されて病まないポイントだと思うんですよね~。


| 7.マティスを使ってみたいなら

どんなシーンにもピタッと収まりやすい、沼らせフォント「マティス」は以下のフォントサービスから使用可能です。


  • LETS(年間契約)

  • mojimo(サブスクリプション)

  • FONTPLUS(商用利用可)

  • Adobe Fonts(FOT-マティス ProN Mのみ/Adobe CCユーザーは無料)

気になったらぜひ、この沼らせフォントを使ってみてくださいね。その使いやすさと美しさのとりこになること間違いなしです。



| 8.まとめ:フォントに支配される人生もまた佳き(ほんとか?)

さて、同じようにマティスに沼ってしまったあなた。きっと今頃あなたは「ああ、もう他のフォントが使えない、使いにくい」と、頭を抱えていることでしょう。 そしてこのデザインにも、あのデザインにも、なんだかんだで立て続けにマティスを使い、そんな自分に焦りを感じていると思います。

残念ながらマティスはあなたの心を奪っていきました。奪われた心はもう取り戻せません。これからどんなフォントに出会おうと、あなたは自分の心にあいた大きな穴を埋めるべく、マティスを永遠に追いかけ続けるしかないのです。

マティスに巡り合ってしまったならば、たいていのデザインは、マティスで完結するでしょう。フォント選びに迷ったら、とりあえず、溺愛するマティスを召喚するしかありません。


シルクハットのイラスト

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